「ごめんなさい」が、すんなり言えない。アドバイスを聞きながら、心の中では反論している。
そんな自分に気づいて、ひとり落ち込んだことはありませんか。

今日は「素直」という言葉の意味を、わたし自身の苦い思い出と一緒に考えてみたいと思います。

「素直って、どういう意味?」

先日、友人と話していたときのことです。友人は師匠にあたる方から「素直ってどういう意味か、答えられる?」と聞かれて、言葉に詰まったのだそうです。

わたしも一緒に考えてみましたが、確かにパッとは答えられませんでした。
ふだん何気なく使っている言葉ほど、いざ意味を聞かれると難しいものですね。

その方いわく、この「素直さ」こそが、生きていくうえでとても大事なのだそうです。

「素直になれない」と思っていたころ

この話を聞いて、昔の自分を思い出しました。

物事がうまくいかなかったころのわたしは、「わたしは素直になれない」と思っていました。
ごめんなさいが言えない。人の言うことを「それは違う」と思って、最後まで聞けない。

受け入れられるものだけを受け入れて、それ以外は門前払い。
自分の器に入れるものを、狭い狭い世界のものだけに限っていたのです。

当時のわたしは、まわりから見れば扱いづらく、気を遣わせる小さな人間だったと思います。交友関係も決まった人だけで、それ以上広げようとも思っていませんでした。

内側の自分は、外に漏れている

そういう時期にお付き合いをすると、不思議なくらいうまくいきませんでした。

相手が間違っていると思って、すぐ対立する。面倒だからと、聞いたふり・謝ったふりでやり過ごす。
でも、そういうものは驚くほど相手に伝わるんですよね。

「外面(そとづら)」という言葉がありますが、家族やパートナーにできないことは、外の世界でもできません。
内側で思っていることは、自分が思っている以上に、外に漏れています。

人付き合いのこじれが続くとき、その根っこには「内側の自分と外側の自分のズレ」が隠れていることが多いのです。

聞くとは、一度自分の中に入れること

では、素直とは何でしょう。いまのわたしの答えは、こうです。

人から言われたことを、正しいか間違いかを判定する前に、一度自分の中に入れてみること。

「聞く」は「従う」ではありません。間違っていると思うことまで、すべて言いなりになる、という意味でもありません。
ジャッジ(良い悪いの判定)は、あとからで間に合います。まず受け取ってみる。それだけです。

事業で大きな成功をおさめているという友人の師匠も、「人がやりなさいということを、素直にやればいいんだよ」とおっしゃったそうです。

「はい、やってみます」と軽く言えること。その軽さが、素直の正体なのだと思います。

素直な人のまわりには、応援が集まる

ふり返ってみると、素直な人は得をしています。

  • - 教えてもらえる機会が増える
  • - 好かれて、人間関係がなめらかになる
  • - 困ったとき、まわりが手を貸してくれる

器を広げて受け取れる人のところに、人も、チャンスも、自然と集まってくるのです。

軽やかに受け取って、軽やかに生きる

素直とは、自分を曲げることではなく、自分の器を広げること。

受け取り方がひとつ変われば、人付き合いの景色は変わります。そして景色が変われば、選べる道もひとつではなくなります。生きているかぎり、道はいくらでも増やせるのです。

今日だれかに言われた一言を、ためしにひとつ、そっと自分の中に置いてみてください。
その小さな「はい」が、明日のあなたを少しだけ軽くしてくれます。