「好きなことをしているはずなのに、なぜか疲れ果てている」。
そんなことはありませんか。嫌なことで疲れるのは分かる。でも、ワクワクしながら走っていたのに、ある日ぱたりと動けなくなる——今日は、そんな「好き」の落とし穴のお話です。
好きなことは、ブレーキが利きにくい
つらいことなら、心と身体が早めに「もう嫌だ」と教えてくれます。
ところが好きなことは逆です。楽しいから、疲れに気づきにくい。気持ちが先に走って、身体があとから追いかける状態になりがちです。
車にたとえるなら、好きなことはアクセルだけを踏んでいる運転。スピードが出ていること自体に、本人は気づけないのです。
あるスタッフの体験
彩石屋のスタッフに、産休・育休を経て店に戻ってきた者がいます。
久しぶりの仕事がうれしくて、ウキウキが止まらなかったそうです。子育てに追われる日々のなかで、お店とお客様に心から癒やされていた時期だったと言います。
ところが復帰してまもなく、もう一つのお店(酵素風呂)の立ち上げが重なり、そこから怒涛の日々が始まりました。
それでも本人は「不安よりワクワクのほうが大きかった」と振り返ります。どちらも、心から好きな仕事だったからです。
けれど——「やりすぎてしまう」自分の性格をまだよく分かっていなかったそのスタッフは、のちに一気に体調を崩すことになりました。
ワクワクは、疲れを上書きする
このお話のポイントは、本人が無理をしている自覚をほとんど持てなかったところです。
好きなことの渦中では、疲労のサインが「充実感」に上書きされてしまいます。
眠りが浅い。食事を後回しにする。休みの日も頭が仕事のことでいっぱい。あとから振り返れば分かるサインも、その時は「楽しいから大丈夫」で通り過ぎてしまうのです。
倒れてから気づくのでは、少しもったいないと思いませんか。
自分の取扱説明書を持つ
そこでおすすめしたいのが、「自分の取扱説明書」を持つことです。
- - 私は、好きなことだとつい詰め込みすぎる
- - 私は、頼まれると断れない
- - 私は、休むことに罪悪感を覚えやすい
こんなふうに、自分の「やりすぎパターン」を言葉にしておく。これも自己理解のひとつです。
傾向が分かっていれば、先回りして休みを予定に入れたり、誰かに「最近の私、飛ばしすぎていない?」と聞いたりできます。
先ほどのスタッフも、別のスタッフが店を守ってくれたおかげで両立できたと話していました。一人で抱えないことも、立派な取扱説明書の一行です。
休むことも、「好き」の続け方
好きなことに出会えたのは、それだけで幸せなことです。
だからこそ、短距離走で燃え尽きるのではなく、長く続けられるペースで歩いていきたい。
道はこの先もずっと続いていきます。今日少し休んだくらいで、あなたの「好き」は消えたりしません。
休むことまで含めて、あなたの「好き」を大切にしてあげてくださいね。