新しいことを始めるとき、「経験もない私が、やっていいんだろうか」と足がすくむことはありませんか。
今日は、そんなあなたに聞いてほしいお話があります。かつて彩石屋で働き、やがて自分の夢を叶えて巣立っていった、ひとりのスタッフの物語です。
「私より適任がいるのでは」と言い続けた日々
そのスタッフは、天然石の知識がまったくないまま、彩石屋で働き始めました。
初めて店に入ったときの感想は「素敵!」——ただ、それだけ。だからこそ本人は戸惑いました。
「こんな感想しか持っていない私が、ここで働いていいんですか?」
働き始めてからも数か月のあいだ、「私よりもっと適任がいるのではないか」と言い続けていたそうです。実際、お店には彼女よりずっと石に詳しいお客さまも、たくさんいらっしゃいました。
出会いが、「ここに来た意味」を教えてくれる
それでも彼女は、目の前の仕事を続けました。
先輩と出会い、お客さまと出会い、ひとつひとつの経験を重ねるうちに、「私がここに来た意味」を少しずつ実感するようになったといいます。
気づけば、外出先で天然石を見かけるだけで足が止まり、「かわいい」と目移りしてしまうほど、石が好きになっていました。
始めたときの知識の量と、そこで得られるものの大きさは、別ものなのです。
卒園アルバムに書いてあった夢
そんな彼女に、旅立ちの春がやってきます。幼い頃から目指していた世界へ、進むことが決まったのです。
その少し前、部屋を整理していたら、幼稚園の卒園アルバムが出てきました。将来の夢を書く欄には——今まさに叶えたばかりの夢が、子どもの字で書いてあったそうです。
嬉しかったこと、悲しかったこと、辛かったこと。ここまでの道のりで、彼女はたくさんの種類の涙を流してきました。
それでも、卒園アルバムの夢と今の自分が重なったとき、こう思えたといいます。
「今まで取り組んできたことは、何も間違っていなかった」
重い鎧は、いつか脱げる
大きな目標を叶えたとき、彼女は初めて、自分で自分に着せていた重い鎧を脱げた気がした、と話してくれました。
新しい世界への不安が、ないわけではありません。それでも、「出来ない」ということはない。信じて前を向いていれば、「出来ない」はいつか「出来る」に変わっていく——。
そう思えるようになったのは、未経験のまま飛び込んだ場所での、経験と出会いのおかげだったそうです。
まとめ——未経験は、欠点ではなく入り口
「私なんかが」と思いながら踏み出した一歩も、流した涙も、あとから振り返れば、ちゃんと意味を持って並んでいます。
あなたが今いる場所が、夢から遠回りに見えたとしても、大丈夫。歩いた道は消えませんし、これから選べる道も、ひとつではありません。
「出来ない」が「出来る」に変わる日まで、どうか自分との歩みをやめないでください。