「どうして私ばかり、こんな目に」——予定が崩れたり、思いがけないトラブルが続いたりすると、つい出来事に×印をつけて落ち込んでしまう。そんなことはありませんか。

今日は、その×印をいったん保留にしてみる、という心の置き方のお話です。

「人間万事塞翁が馬」という古い知恵

中国の故事から生まれた言葉に「人間万事塞翁が馬」があります。世の中に起こることは、すべて予測がつかない、という意味です。

生きていれば、良いことも悪いことも起こります。
嫌だと思えた出来事が、実は良いことにつながっていたり、その逆だったり。

そして「あのことがあったおかげで、こうなれた」と腑に落ちるまでには、時間の経過というものが必要です。

「最悪の旅」が、ひっくり返った日

以前、友人と旅行に出かけたときのことです。

旅そのものは順調だったのに、帰り道、沿線の事故で列車が途中の駅までしか動かなくなり、遠回りして帰ることになりました。「最後の最後に、なんでこんなことに……」と嘆きながらの帰宅です。

ところが後日、この顛末を話した相手から、「行きと帰りで違う道をたどれたのは、かえってよかったのかもね」という言葉をもらいました。

その一言で、頭の中の「最悪の旅」が「よかった旅」へと、静かに塗り替わったのです。出来事そのものは、何ひとつ変わっていないのに。

ジャッジを保留にする、ということ

私たちは出来事に、良い・悪い、幸・不幸のジャッジをしがちです。

けれど、物事がいつ、どう転じるかは、誰にもわかりません。結果がすぐに出ることもあれば、何年もあとになって意味がわかることもあります。

だから大事なのは、ひとつひとつの出来事に一喜一憂しすぎず、「今はまだ採点しない」と保留にしておくこと。

柳の枝が風にしなって折れないように。しなやかな思考とニュートラルな心は、起きたことをまるごと受け止める余白をつくってくれます。

お守りとしての、アメジスト

このお話とともにご紹介したいのが、アメジストです。

古くから、高ぶった気持ちを鎮め、心を落ち着ける象徴とされてきた紫色の石。自分の考えにこだわりすぎて感情が揺れやすいとき、ニュートラルな自分に戻るための合図として。感受性の強い方のお守りとしても、長く親しまれてきました。

石にふれるたび、「今はまだ採点しない」と思い出す。そんな使い方をしてみてください。

採点表を閉じて、歩いていく

今日のあなたに起きた「最悪」も、数年後にはまったく違う顔をしているかもしれません。

出来事の意味は、あとから追いついてくるもの。だから、今日の時点で人生に赤点をつけるのは、早すぎます。

良いも悪いもまるごと抱えて歩いていけば、その先で道はいくらでも枝分かれしていきます。