「真面目だね」と言われるたび、ほめられているはずなのに、なぜかチクッとする。

人から何度も言われる言葉に、心当たりはありませんか。今日は、店頭でのあるお客様との対話から教わったお話です。

何度も言われる言葉は、鏡のようなもの

お客様とお話ししていると、「人から繰り返し言われる言葉」が話題になることがあります。

あるお客様の場合は、「真面目」と「頑固」でした。
ご本人はその言葉があまり好きではなくて、言われるたびに「また言われた」と、心の中でため息をついていたそうです。

面白いのはここからです。
ご自分のいろいろな面を認められるようになったころから、不思議とその言葉を言われなくなった、とおっしゃるのです。

何度も言われる言葉は、自分がまだ受け入れていない自分を映す、鏡のようなものなのかもしれません。

人と接するのが、怖かったころ

そのお客様には、人と接するのが怖くなっていた時期がありました。

店の前を通りかかって気になっても、扉を開けられない。
勇気を出して入った日も、ほとんど話せない。

そのとき店のスタッフは、声をかけすぎず、そっとしておいたそうです。見たいだけ見て、何も買わずに帰る。それでよかったのです。

何度か通ううちに、すこしずつ言葉を交わせるようになり、「探していたものを、そっと差し出してもらえたのがうれしかった」と、後になって話してくださいました。

その人の歩く速さを、認める

わたしが人とお話しするときに大切にしているのは、「その人の歩く速さを認める」ことです。

もっとできるのに、もったいない——正直、そう思う瞬間はあります。
でもそれはわたしの速さであって、その人の速さではありません。

だから「こうすればいいのに」は、自分の引き出しにしまっておきます。
その人の花が咲き始めたときに、そっと引き出しを開けて差し出せばいい。いつもそんなイメージでいます。

言いたい気持ちごと、認める

ご夫婦の喧嘩のご相談でも、同じことを思います。

「そんなこと言わなければいいのに」と思っても、それを言いたいのが、その人なのです。
否定から入らず、まず認めて、「では、これからどうしましょうか」と一緒に考える。

人を変えることはできません。けれど、まるごと認められた人は、自分から変わり始めることがあります。
冒頭のお客様の「頑固」が言われなくなったのも、誰かに直されたからではなく、ご自分で受け入れたからでした。

まとめ

何度も言われて気になる言葉があるなら、それはあなたが弱いからではありません。自分を知る入口が、目の前に見えているということです。

真面目も頑固も、認めてしまえばあなたの個性。受け入れた分だけ歩ける道は増えて、どの道を選んでも、その先はまた無限に分かれていきます。