「愛されたい」「わかってほしい」「お金さえあれば」。
心の中で、いつも何かを追いかけていませんか。
追いかけているのに、なぜか手に入らない。むしろ、追いかけるほど遠ざかっていく気がする。
今日は、彩石屋の店先でスタッフ同士が交わした雑談から生まれた、「求めることから卒業する」というお話です。
求め続けることは、思っているより疲れる
店でこの話になったとき、スタッフのひとりがこう言いました。
「求め続けるのって、すごく疲れるんよ。でもその渦中にいると、疲れていることにすら気づけない」
お金がほしい。誰かに愛されたい。相手に変わってほしい。
求めること自体は、悪いことではありません。「〜したい」という気持ちは、前に進む原動力にもなります。
ただ、「足りない」を起点にした追いかけ方は、走っても走ってもゴールが遠ざかるマラソンのようなもの。手に入らないから、もっと求める。もっと求めるから、もっと苦しくなるのです。
「何のために」を思い出してみる
雑談のテーマは、結婚の話にもおよびました。
「この人と一緒にいたら、人生が楽しいだろうなと思ったから」
「私を自由でいさせてくれる人だったから」
スタッフたちが結婚を決めた理由は、それぞれ違います。けれど共通していたのは、お金や安定を埋めるためではなく、自分の人生が広がる感覚で選んでいたことでした。
経済的な安心を目的に始まった関係と、一緒にいる楽しさから始まった関係とでは、出発点がそもそも違います。
どちらが正解という話ではありません。大切なのは、迷ったときに「自分は何のためにこれを選んだんだっけ」と、最初の気持ちに立ち返ってみることです。
人間関係に限らず、仕事でも趣味でも同じ。初心は、自分軸に戻るための目印になってくれます。
口で言う卒業と、本当の卒業
ここからが、この雑談の核心です。
お金を求めること。愛されたがること。相手に期待し続けること。
そこから「卒業する」と本気で決めて手放せたとき、不思議と、探していた相手やアイデアのほうから巡ってきた——スタッフたちは、自分の経験を振り返ってそう話していました。
ポイントは、「卒業しまーす」と口で言うことではなく、本当に手放せているかどうか。
手放すというのは、あきらめることとは違います。
「足りない自分」を埋めるための追いかけっこをやめて、いまの自分のままで日々を立て直すこと。その土台ができたとき、人もチャンスも、ようやく安心して近づいてこられるのかもしれません。
うまくいかなかった経験も、ぜんぶ材料になる
雑談の最後に、スタッフたちが笑いながら言っていたのが印象的でした。
「うちらに共通するのは、ダメな経験をたくさんして学んだことよね」
選び間違えた関係も、求めすぎて疲れ果てた日々も、いま振り返れば「自分にとって何が大事か」を教えてくれた教材でした。
まとめ——追いかける手を、いったん下ろす
もしいま、何かを追いかけて息が切れているなら、いったん手を下ろしてみませんか。
求めることをやめた瞬間に、人生が終わるわけではありません。むしろ視界が開けて、いままで見えなかった道が何本も現れることがあります。
人生は山あり谷あり。それでも、どの地点からでも自分の手で描き直していけます。
今日のあなたが、追いかける側ではなく、選ぶ側に戻れますように。