「あのとき、本当のことを言えばよかった」——誰にも気づかれていないはずなのに、胸の奥がざらっとする。そんな夜はありませんか。

周りには知られなくても、ついた嘘は、自分の心が全部知っています。今日は、そのことを静かに思い出させてくれる、青い石のお話です。

小さな嘘が、息苦しさに変わるとき

嘘といっても、大きなものばかりではありません。

本当は嫌なのに「大丈夫です」と笑う。本当はやってみたいのに「興味ないから」と言ってしまう。

そんな小さな嘘を重ねるうちに、なんだか息苦しくなってくる。それは、すべての真実を知っている自分の心が、「本当はちがうよ」と教えてくれているサインなのかもしれません。

価値に気づかれず、捨てられていた青い石

モンタナサファイアという石をご存じでしょうか。アメリカ・モンタナ州で採れるサファイアです。

1800年代後半、モンタナ州はゴールドラッシュに沸いていました。一攫千金を夢見て金を掘っていた人たちは、金と一緒に出てくる青い石がサファイアだと気づかず、捨てていたそうです。

のちに、ティファニー社の宝石学者だったクンツ博士がその青い石をサファイアだと見抜き、美しさを称賛したと伝えられています。

捨てられていた石が、見る人が見れば宝石だった。このエピソード、どこか人の心と似ていると思いませんか。

「どうせ自分なんて」と自分で捨ててしまっている部分にこそ、本当の値打ちが眠っていることがあるのです。

「誠実さ・慈愛」——澄んだ色が映すもの

モンタナサファイアの石言葉は、「誠実さ・慈愛」とされています。真心をもって、いつくしみ、つつみこむ。

ブルーからグリーン、イエローへと、いくつもの色が混ざり合った絶妙な色合いを見せるのが、この石の特徴です。ひとつとして同じ色はなく、まさに一期一会の出会い。

その透き通った色を眺めていると、自分にも他人にも嘘をつかない、澄んだ心を思い出させてくれます。

胸の奥のざらつきに気づいた日、「本当はどうしたい?」と自分にたずねる合図として、手元に置いてみるのもひとつです。

自分への正直さは、自分への慈しみ

嘘をまったくつかずに生きるのは、簡単なことではありません。だから、全部を一度に変えなくて大丈夫です。

まずは、自分にだけは正直でいること。「本当は嫌だった」「本当はやってみたい」と、心の中で認めるだけでいいのです。

それは、捨てられていた青い石を拾い上げるように、自分の本当の値打ちを拾い上げる作業。生きていれば、正直になり直す機会は何度でもやってきます。今夜の、自分との小さな対話から始めてみてください。