「あなたに合う服は、どんな服ですか」
「あなたに合う石は、どんな石ですか」
そう聞かれて、すっと答えられるでしょうか。
お店でスタッフと話していても、「答えられる方って、案外少ないよね」という結論になります。今日は、この「自分に合うもの」のお話です。
合うものは、あなたと一緒に変わっていく
石を身につけて毎日を過ごしていると、少しずつ自分自身が変わっていきます。
すると面白いことに、それまでしっくりきていた石が、だんだん合わなくなってくるのです。
服のサイズや好みが年月で変わるのと、よく似ています。
一方で、何年身につけていても、その方と石がすっかり一体化していて、「もう離さないほうがいいですね」とお伝えする方もいらっしゃいます。
合う・合わないに正解はなく、「いまの自分」との関係で決まるものなのです。
「またこの子の時代が来たか」という再会
店主自身は変化が激しいタイプで、ひと月もたたないうちに、違う石を身につけたくなってしまいます。
面白いのは、次に手が伸びるのが、昔つけていた石であることも多いこと。
「またこの子の時代が来たか」と、ちょっとうれしくなる瞬間です。
合わなくなった石は、お別れではなく、お休み。
自分が一周まわって戻ってきたとき、石がまた教えてくれることがあります。
服が人を変えた——アパレル時代の気づき
店主はもともと、アパレルの店員をしていました。
得意だったのは、その方に似合う服を探すこと。それも、ご本人がまだ気づいていない魅力から選んで、がらりと印象を変えてしまうことでした。
服を変えただけで表情が明るくなり、恋人ができた方がいました。
前向きになって、学校へ行けなかった子が、また通えるようになったこともありました。
そんな経験を重ねるうちに、「わたしの行く道はここじゃない」と気づきはじめ、やがて石の世界へ。独立して、気がつけば15年になります。
本質に合っていることは、飽きない
自分でも飽きっぽい性格だと思うのに、この仕事だけはまったく飽きません。
それはきっと、自分の本質に合っているから。
趣味に近いくらい楽しくて、何より、人と出会ってお話しすることが好きなのだと思います。
難しい悩みを一緒に考えて、乗り越える道を見つけられたとき。
その方の毎日が少しでも明るくなったとき。これほどうれしいことはありません。
「自分に合うもの」探しは、自己理解の入り口
服でも、石でも、「いまの自分に合うもの」を探すことは、自分をよく見ることと同じです。
何を心地よいと感じるか。どんな自分でいたいか。
それを知っていくのが自己理解であり、ぶれない自分軸の土台になります。
答えられなくても、大丈夫。
合うものは変わり続けるのですから、これから何度でも、新しい「いまの自分」に出会い直せます。