「あなたの場合、可能性は1%以下です」

もしそう言われたら、あなたはどうしますか。
数字を前にすると、人の心は簡単に折れそうになります。今日は、わたしがその数字と向き合った日のお話です。

夫に「妊活をしたい」と打ち明けた

年が明ける前、ついに夫へ「妊活をしたい」と話し、専門の病院へ一緒に話を聞きに行くことになりました。

結婚して17年。子どもの話がなかったわけではないけれど、仕事や家のことで問題が多すぎて、「ここが片付いたら」と先送りになっていました。

突然妻からこの話をされて、何も思わない夫はいません。
心がざわつくだろうと先に考えて、それとなく伏線をひき、夫婦の会話を丁寧に重ねてから切り出しました。

女性よりも男性のほうが、心の準備に時間がかかる。 わたしはそう思っています。

突きつけられた数字

先生から聞かされた、わたしの身体の現実。

妊娠を続けるためのホルモンの値が少ないこと。卵子の数が残りわずかなこと。子宮筋腫が着床のさまたげになること。

ここまで時間がかかってしまった結果は、とても厳しいものでした。

そして、こういうとき男性は数字を聞きます。
「奥様の場合、妊娠の可能性は1%以下です」

それを聞いた夫は言いました。「そんな可能性で、やる意味あるの?」
数字を聞けば、たいていの人がそう思うのかもしれません。

それでも、決めるのはわたし

先生も、確率が低いときに明るいことは言いません。
アウェーのような診察室で、わたしひとりだけが、一点を見ていました。

赤ちゃんを産む、という未来です。

これまでも、誰も信じないだろうことを、どんなに時間がかかっても叶えてきました。どんな壁があっても、「できない」ほうの未来を描いたことがないのです。

アンハッピーな未来は描かない。どんなときも。
それがわたしの信念なのだと、このとき改めて気づきました。

ひとつだけ決めていたことがあります。聞いた言葉への疑問はその場で先生に聞き、家では調べすぎないこと。調べれば怖いことがいくらでも出てきます。同じ現実を生きるなら、前を向いていたほうがいい。

数字は現実を教えてくれる。でも未来は決めない

説明を聞いて、1%という数字の意味も確かめたうえで、わたしは体外受精という道を選びました。

そして、自分のこと以上に心を配ったのが夫のことです。男性は、女性以上にデリケート。黒ニンニクを食卓に出しながら、何より心のケアを大切にしました。

数字は、今いる場所を教えてくれる地図のようなものです。
でも、どこへ歩くかまでは決めてくれません。

あなたが今、厳しい数字の前に立っているなら、思い出してください。
やるかやらないかを決められるのは、世界でただひとり、あなただけです。細くても道があるかぎり、未来の描き直しは何度でもできます。