「わたし、夢を見すぎなんでしょうか」。
結婚生活のお悩みをうかがっていると、理想と現実のあいだで疲れてしまった方に、たくさん出会います。
でも、わたしはこう思うのです。結婚生活は、ちょっと夢を見ているくらいが、ちょうどいい。
結婚生活の悲劇は、最初から決まっていない
うまくいかなくなったご夫婦も、初めはみんな、この人となら幸せになれると信じて一緒になっています。
最初から悲劇が決まっている結婚なんて、ないのです。
そして、現実を見すぎてもうまくいかないし、夢を見すぎてもうまくいかない。
女性は男性に夢を見ているし、結局のところ、男性も女性に夢を見ています。それが崩れると、幸せそのものが崩れていくような気がするのです。
いちばん大きいのは「育った環境」
お店で数えきれないほどのご夫婦のお話を聞いてきて思うのは、うまくいかなくなる大半の根本が「育った環境」にある、ということです。
どんな親に育てられたか。
もっと言えば、どんな結婚生活を送った親のもとで育ったか。ここが、ふたりの関係にとても大きく響いてきます。
意外かもしれませんが、お互いの家庭環境が似ていて、どちらも複雑だった場合、結婚してからお互いに学ぶことが多すぎて、かえって難しくなることがあります。
たとえば育った環境が複雑な男性を支えるには、女性の側に、自立した強さか、まったく気にしないおおらかさが要るのです。
「まとも」の基準も、育ちでできている
わたし自身、複雑な家庭環境で育ちました。
だから昔、「お前の親はここがダメだ」と、変えようのないことに口を出してくる男性に出会ったことがあります。そういう人ほど、プロポーズだけは安易にしてくるのです。
もしあのとき夢を見すぎていたら、わたしはその言葉を真に受けて、親もわたしも幸せになれない結婚をしていたと思います。
恋愛は、良い悪いの判断が鈍るもの。
そして、幸せな家庭をまだ知らないまま育つと、「まともな相手」を見分ける基準そのものが、心もとないことがあります。本当の幸せを知らないうちの自分の判断を、信用しすぎないでほしいのです。
まともな人なんて、ほとんどいない
では、どんな相手ならまともなのか。
長くお話を聞いてきた実感を言うと——まともな人は、ほとんどいません。みんな、どこか変なところ、おかしなところを持っています。
それなのに、わたしたちは相手にだけ「ちゃんと」を求めてしまう。
このちぐはぐさが、夫婦の仲違いを生み、修復を難しくしているように思います。
まとめ——だから「ちょっと夢を見る力」が要る
お互いに完璧ではないふたりが、それでも一緒に暮らしていく。
そのために必要なのが、「ちょっと夢を見る」力だと、わたしは思うのです。
それは、現実から目をそらすことではありません。
相手の足りないところを知ったうえで、それでもこの人と幸せになれると、もう一度信じてみる側に立つこと。
結婚生活に、正解の形はひとつではありません。
ふたりで夢を見直せるなら、道はそこから何度でも続いていきます。