「噛めば噛むほど味のある、都こんぶのような女性になりたい」
昔、知人が言った言葉です。どういう意味だったのか、今も謎のまま。
それなのに、なぜかずっと忘れられません。今日は、この言葉から始まるお話です。
「人生はつらいことばかり」と思っていた頃
人生、山あり谷あり。いろいろなことが起こり、いろいろな経験をします。
その経験が肥やしになって人生は豊かになる——頭ではわかっている。
でも、「そうは言っても」と思ったことのある人は、少なくないはずです。
わたし自身、人生はつらいことばかりだと思っていた時期がありました。
だから「経験に感謝しましょう」と言われても、すぐにはうなずけない気持ちが、よくわかるのです。
蓮の花は、泥の中から咲く
蓮の花は、泥の中から茎を伸ばして花を咲かせます。
人もどこか似ていて、人生という泥の中で、つらいこと、悲しいこと、大変なことを経験します。
そして人は、失って初めて気づく生きものです。
体調を崩して初めて、健康のありがたさに気づく。大切な人が去ったあとで、その人に与えてもらったものの大きさに気づく。
悲しみやつらさを経験しないと、見えてこないものが確かにあるのです。
受け止める。そして、逃げない
つらいとき、そのことから目を背けたくなります。
わたしにも、背けたくて、逃げたいと思った経験があります。
その頃のわたしに、めぐり合わせのように何度も届いた言葉が「受け入れる」でした。
当時は「なぜ?」とまったく理解できませんでしたが、今なら納得できます。
悲しい、つらいという気持ちを、否定せずにまず受け止める。
必要な経験として受け止めて、逃げないこと。泥の中で可憐な花を咲かせるためには、その泥こそが養分になるのです。
「もっともっと」ではなく、「ありがとう」
もうひとつ、心に留めておきたいことがあります。
誰かを「敵」と見る心は、自分の中に同じ棘を育ててしまいます。
苦難を恨む時間が長いほど、心はかたくなになっていく。
だから、ないものねだりではなく、「あるもの」に目を向けてみる。
少しの楽しみを何倍にも感じられる心でいられたら、同じ出来事からでも、何倍も成長できると思うのです。
人の悲しみや苦労がわかる、共感できる豊かな心。それは、自分の泥をくぐり抜けた人にしか持てないものです。
新しい自分に出会わせてくれる、インカローズ
このお話とともにご紹介したいのが、インカローズ(ロードクロサイト)です。
バラの花びらを思わせる、あたたかなピンクの石。
バラは古くから再生のシンボルとされ、インカローズは生きる喜びと人間的な魅力を象徴する石として愛されてきました。
深く傷ついたとき、気力が出ないとき。
「この経験も肥やしになる」と思い出すお守りとして、そっと手元に置いてみてください。
まとめ——味のある自分は、これからつくれる
「噛めば噛むほど味のある、都こんぶのような女性になりたい」
訳すなら、経験を肥やしにした、魅力と個性のある新しい自分になりたい、ということなのだと思います。
今がつらさの真っ只中でも、それは味になる途中の時間。
泥の中からでも、花はいつからでも咲かせ直せます。