「変わりたいんです。やり方も、分かってるんです。なのに、できなくて」
頭では分かっているのに、いざとなると体が動かない。
そんな自分を「意志が弱い」と責めていませんか。今日は、店のスタッフとの何気ない会話から生まれた、「心の抵抗」のお話です。
頭が分かることと、心が分かることは、別もの
あるとき店のスタッフが、こうこぼしました。
「前は乗り越えられたのに、なんで今度はこんなにできないんでしょう」
わたしの答えはシンプルです。
頭が分かっていることと、心が分かっていることは、全然別ものだから。
頭では「やったほうがいい」と理解していても、心のほうが「分かりたくない」と思っていれば、すごい力で抵抗します。
そして抵抗は流れを止め、関係のなさそうないろいろな場面にまで、じわじわ広がっていくのです。
人は基本、変わりたくない生きもの。
変わらなければいけない時期ほど、「変わりたくない」がせり上がってくる。この矛盾は、誰の中にもあります。
壁だと感じたなら、それは「やったほうがいいこと」
では、抵抗を感じたらどうするか。
目の前のことを「ああ、これは壁だな」と感じたなら、それはもう、やったほうがいいことです。
壁に見えるのは、心が抵抗している証拠。つまり、ちょうど成長の順番が回ってきたということだからです。
ただし、やり方はひとつではありません。
言われたとおりにやってみる人もいれば、もらった助言をヒントにして、自分なりのやり方に組み替える人もいる。
人には、人のやり方がある。正解の型に自分をはめる必要はないのです。
「良く見せたい」が、あなたを固くする
わたし自身、こんなに喋れるのに、文章になるとまったく書けない時期がありました。
なぜだろうと考えて気づいたのは、書くことの責任、つまり「残ることへの怖さ」でした。
間違ったことを書いたらだめなんじゃないか。きれいに書かなければ。——大勢に見られると思うと、急に縮こまってしまう。
あるとき、それをやめました。
幼稚でもなんでも、「今のわたしのまんまは、これです」と書けばいいじゃない、と。
そもそも、悩んでいる誰かに届けたくて書くのに、自分を良く見せることに気を取られているのは、矛盾です。
意識の向け先を「自分の見え方」から「届けたい相手」へ変えただけで、怖さはすっと軽くなりました。
これは文章にかぎりません。
人前で話すこと、新しい仕事、初めての挑戦。固くなるときはたいてい、「どこまで自分を良く見せようとしてるの?」と聞いてみる価値があります。
すべては、自分という軸ありきで受けとる
もうひとつ大切なのは、人の助言の受けとり方です。
「こうしたら」と言われたとき、そのまま丸ごとなぞろうとすると、苦しくなります。
それはその人の脳であって、あなたの脳ではないからです。
自分という人間がまずあって、「じゃあ、わたしならどうやる?」と引きつけて受けとる。
すべては自分の軸ありきで受けとめる——これが基本です。軸を忘れたままがんばるほど、空回りしていきます。
まとめ——抵抗する自分ごと、連れていく
変われないのは、あなたが弱いからではありません。
心が全力で現状を守ろうとしている、それだけのことです。
抵抗に気づいたら、責めずに「お、順番が来たな」と眺めてみる。
やり方は自分で選んでいい。見せ方より、届けたい相手。受けとり方は、自分軸で。
変わりたくないと言う自分ごと連れて、一歩ずつ。
生きていれば、道はいくらでも続いていきます。