心が弱っているとき、「誰かに、何かに、すがってしまいたい」と思う夜はありませんか。

その気持ちは、弱さではありません。
ただ、すがった先に自分を明け渡してしまうと、人生はだんだん自分のものではなくなっていきます。今日は、彩石屋の原点でもある「自立」のお話をさせてください。

心の弱った母を見て、知ったこと

わたしの母は、心の弱い人でした。
苦しさのあまり、心の拠り所を自分の外にあるものへ委ねてしまい、そこへ深くのめり込んでいく姿を、わたしはそばでずっと見てきました。

だからわたしは、心が弱った人が拠り所を求める気持ちが、痛いほど分かります。
同時に、どうすれば人は自立できるのか、どうなると自立できなくなってしまうのかも、身をもって知ることになりました。

当時のわたしは幼く、経験も知識もなく、母を連れ戻すには力が及びませんでした。
その悔しさが、いまの彩石屋の出発点になっています。

彩石屋がやってきたのは、「自立のサポート」

病気の家族を支えたい一心で、お医者さんや看護師を目指す方がいます。
わたしの場合は、心の弱い母を見て、仲の悪い夫婦を見て、お金に苦労して、その果てに自分の心が壊れた——そんな人生を送ったからこそ、「悩んでいる人の駆け込み寺のような場所を作りたい」と思いました。

それが、彩石屋です。

開店からこれまで、一万人近くの方とお話をしてきたと思います。
その中で、人はどうなると抜け出せなくなるのか、逆に、どうしたら抜け出せるのか。あらゆる人生を見聞きして、わたしなりにたどり着いた答えは、とてもシンプルでした。

人生の基本は、自立すること。

わたしがどれだけご相談に乗れても、頑張らないといけないのは当のご本人で、わたしがその人生を代わってあげることはできません。
だからこそ、わたしにできる唯一のことは「自立をサポートすること」なのです。

自立とは、ひとりで頑張ることではない

「自立」というと、誰にも頼らず歯を食いしばることだと思われがちですが、違います。

自立とは、あなたができる最大限の可能性を、引き出すこと。

人に相談していい。支えてもらっていい。
ただ、人生のハンドルだけは、自分の手から離さない。判断の材料になる知恵と知識を蓄えて、最後は自分で決める。

頼ることと、明け渡してしまうことは、まったくの別物です。
彩石屋がお伝えしたいのは、この「自分の手で人生を創っていくための知恵と知識」のほうなのです。

袖振り合うも他生の縁

こんな原点のお話は、あまりしてきませんでした。
それでも、何も知らずに皆さんが駆け込んで来てくださるのが、不思議でありがたいなあと思っています。

この記事を読んでくださったのも、何かのご縁かもしれません。

あなたには、自分の人生を自分の手で創っていく力があります。
いまどんなに出口が見えなくても、抜け出した人をわたしは何人も見てきました。生きてさえいれば、進める道はひとつどころか、数えきれないほどあるのですから。