「やりたいことは、あるんです。でも、動けなくて」
お店でお話をうかがっていると、この言葉に本当によく出会います。
どうなりたいかを自分で言葉にできているのに、最初の一歩が出ない。もしあなたもそうなら、今日はすこし耳の痛い、でも大切なお話をさせてください。
動けない理由は、タイミングではない
動けないとき、わたしたちの頭の中には、言い訳が先回りして並んでいます。
お金がない。時間がない。勉強が足りない。何から始めたらいいか分からない。
どれも嘘ではないのです。でも思い出してみてください。
これまで本当にやりたかったことは、条件がそろう前に始めていませんでしたか。
動けないのは、タイミングのせいではなく、まだ本気の置き場所が決まっていないから。
そう認めるところから、すべてが始まります。
自分をだますと、次もだましてしまう
ここがいちばんお伝えしたいことです。
「今日はやめておこう」と一度自分の決定をだますと、心はその味を覚えてしまいます。
二度目はもっと簡単に、三度目はためらいもなく。
そして本当に大事な場面——人生でいちばんやりたいことの前に立ったとき、動けない癖が顔を出すのです。
自分との約束を破り続けた代償は、思っているよりずっと大きい。
だからこそ、自分が決めたことに、嘘をつかないでください。
言い訳の正体は、たいてい「怖さ」
とはいえ、言い訳を意志の弱さと切り捨てるのは、すこし乱暴です。
言い訳の奥には、たいてい怖さが隠れています。失敗したら恥ずかしい。家族にどう思われるか。今の安定が崩れたら。
「わたしは何を怖がっているんだろう?」と紙に書き出してみてください。
怖さに名前がつくと、それは漠然とした壁から、対処できる課題に変わります。これも自己理解のひとつです。
約束は、笑ってしまうほど小さくていい
自分との約束は、大きい必要はありません。むしろ小さいほどいい。
- - 本を1ページだけ読む
- - 調べものを5分だけする
- - 道具を机の上に出しておく
「こんなことで?」と笑ってしまうくらいの約束を、今日守る。明日も守る。
守れた事実が積み重なると、「わたしは自分の決定を守れる人だ」という静かな自信——自分軸が育っていきます。
お守りとしての、アレキサンドライト
彩石屋でこのお話とともにご紹介したいのが、アレキサンドライトという天然石です。
昼の光と灯りの下とで、緑から赤紫へと表情を変える石。けれど、どんな光の下でも石そのものは変わりません。
まわりの光が変わっても、自分は自分のまま。
その姿を「自分との約束を守るお守り」として、手元に置いてみてください。石にふれるたび、今日の小さな約束を思い出す合図になります。
どうしても動けない日は
それでも動けない日は、誰にでもあります。
そんなときは、ひとりで自分を責めないでください。誰かに話すだけで、怖さの輪郭がはっきりして、一歩目が見えてくることがあります。
あなたの「やりたい」が、あなた自身の手で動き出しますように。
この記事は、2017年9月の旧彩石屋コラム「自分に嘘をつき続けることは、自分の人生に嘘をつくことになる。」を、現在の彩石屋の考え方(自分軸・自己理解・お守り)に合わせて書き直したものです。