「どうしてか分からないけれど、これが好き」。
理由をうまく説明できない出会いを、したことはありませんか。
今日は、彩石屋のスタッフが人生ではじめて天然石に出会った日の思い出話です。理屈より先に心が動く瞬間には、自分を知るヒントが隠れています。

一冊の本から始まった

そのスタッフが石に出会ったのは、帰省していたある日のこと。店主のエリがおもむろに取り出した、一冊の天然石の本がきっかけでした。

「どの石が好き?」

そう聞かれて、1ページずつ、じっくりと眺めていきます。そこで「ビビッ」ときた最初の石が、ガーデンクォーツでした。
名前のとおり、水晶の中に小さな庭のような景色が見える石。本人いわく、いまでも思い入れの強さは断トツの一番だそうです。

「好き」は、理屈より先にやってくる

おもしろいのは、このとき本人が石の知識を何ひとつ持っていなかったこと。

それでも、心はちゃんと動きました。
知識がなくても、「好き」は選べるのです。

わたしたちは何かを選ぶとき、つい正解を探してしまいます。どれが良いとされているか、どれなら間違いがないか。
でも、理由より先に心が動いたものには、いまの自分の状態や、求めているものが映っています。

「ビビッときた」を笑わずに拾ってあげること。それは自分の感覚を信じる練習であり、自分軸を育てる小さな一歩です。

石は、その日の記憶ごと残る

この話には続きがあります。盛り上がった勢いで、その日いっしょに本をのぞき込んでいた人と、近くのショッピングセンターまで実物の石を見に行ったのだそうです。

そこでもうひとりが気に入ったのは、スーパーセブンという石。
アメリカのヒーローみたいな名前に、ふたりでまた盛り上がったとか。

そしていまでも、スーパーセブンを見かけるたびに、あの日いっしょに見に行った時間を思い出すと言います。

石そのものの美しさだけでなく、出会った日の空気や、隣にいた人の顔まで、石はいっしょに覚えていてくれる。これも天然石の、静かな魅力です。

まとめ——心が動いた日を、覚えておく

ちなみにこのスタッフ、当時は店のオープンを「頑張ってね」と他人事のように応援していたそうです。それが気づけば、その店で14年も働くことになりました。
ふと心が動いた一日が、人生の方向をそっと変えていたのです。

あなたにも、理由なく心をつかまれた何かが、きっとあるはずです。
それを「気のせい」で流さずに、覚えておいてください。心が動いた記憶の数だけ、これから歩ける道は増えていきます。