気分の浮き沈みに、振り回されていませんか。

落ち込んでは持ち直し、また沈む。その繰り返しに疲れたとき、思い出してほしい方がいます。
10年間、いつも変わらない様子で店に通ってくださった、ある女性のお話です。

悩みがなくても、通っていい

彩石屋に来てくださる方の多くは、何かしらの悩みや人生の節目を抱えています。

でも、その方は違いました。

「悩んで石を選んだことは、ないかも。ここのみんなが好きで、喋りたくて来てた」

駆け込み寺のような場所も大切です。でも、「好きだから通う」も立派な理由。
悩みのない自分を「わたし、普通と違うのかな」と心配する必要は、まったくないのです。

「ずっと一定」は、得がたい資質

店のスタッフたちが口を揃えて言うのは、「あの人は10年間、気持ちがずーっと一定」ということでした。落ち込んだ様子で来店されたことが、ほとんどないのです。

浮き沈みのない人がそばにいると、不思議と安心しませんか。

その安心感の正体は、裏表のなさ。明るい気持ちも、ドロドロした気持ちも、同じ顔で出してくれるから、周りは構えなくていい。だからみんな、その人の隣でほっとするのです。

ニュートラルの正体は「吐き出す場所」

とはいえ、その方にもイライラの時期はありました。

学校の役員を務めた2年間、どうにも合わない人がいて大変だったそうです。その頃は店に来ては、モヤモヤを吐き出して帰っていかれました。

ずっと一定に見える人は、感情がないのではありません。溜め込む前に外へ出す場所を、ちゃんと持っているのです。

あなたには、そういう場所がありますか。

引っ込み思案でも、人は変わる

意外なことに、その方は「小さい頃は引っ込み思案だった」と言います。

役員として初めて大勢の前で話したときは、用意した紙を持つ手も、声も震えたそうです。それでも場数を踏むうちに、アドリブを交えて話せるようになった。

「人間、やれば出来るんだなって思いましたね」

ニュートラルな心は、生まれつきだけのものではなく、「やれば出来た」という小さな経験の積み重ねでも育っていくのです。

まとめ——一定でいられる自分は、つくっていける

浮き沈みがあるのは、それだけ感じる力がある証拠です。だから、まず責めないであげてください。

そのうえで、モヤモヤを吐き出せる場所をひとつ持つこと。小さな「やれば出来た」を重ねること。

このふたつを足していくと、心は少しずつ静かに安定していきます。
歩き方は人の数だけあります。あなたのペースで、あなたの一定を育てていきましょう。