「やってみたいことは、あるんです。でも、失敗したらと思うと動けなくて」
店頭で、何度この言葉を聞いたでしょう。挑戦して、うまくいかなかったらどうしよう。エラーのまま終わってしまったら——。
今日は、長くお付き合いのあるお客様との対話から生まれた、「人生はトライ&エラー」というお話です。
「エラーのまま終わらせたくない」という気持ち
そのお客様と、これからの夢や目標の話になったときのこと。
その方はこうおっしゃいました。「やってみたい気持ちはある。でも、エラーのまま終わらせたくないんです」と。
その気持ち、痛いほどわかります。怖いのは失敗そのものより、「失敗した自分のまま終わること」なのです。
そのとき、店のスタッフがさらりと返した言葉が忘れられません。
「いいじゃない、エラーがあっても」
エラーは終わりではありません。次のトライの材料です。
「自分の命を使って、何をしたいか」
「結局、自分がどうしたいのか分からない」と迷うとき、わたしがいつもお伝えしている問いがあります。
「自分の命を使って、何をしたいか」
時間やお金で考えると、損得や世間体が口を挟んできます。
けれど「命を使う」と考えると、究極の選択ができます。本当にそれをやりたいのか、自分の真剣度が見えてくる。だから、どちらを選んでも後悔が残りにくいのです。
命を家族のために使うのもいい。挑戦のために使うのもいい。
大事なのは、それを自分で選ぶことです。
乗り越えた数だけ、乗り越えやすくなる
実はそのお客様には、産後に心のバランスを大きく崩した時期がありました。
ある日、つらさの真っ只中で店に駆け込んでこられて、お話を聞きながら、わたしは思わず泣いてしまったことがあります。頑張って頑張って、それでもどうしようもない——その苦しさが、そのまま伝わってきたからです。
後日、その方は笑って言いました。「代わりに泣いてもらえたみたいで、逆にすっと冷静になれた」と。
誰かが同じ気持ちになってくれるだけで、心は癒えていくものなのだと、わたしのほうが教わりました。
その方はそれから、目の前の課題に一つひとつ正面からぶつかって、少しずつ乗り越えていかれました。
課題は、逃げると次はもっと大きな顔をしてやってきます。でも一度乗り越えた人は、次の課題がぐっと乗り越えやすくなるのです。
課題は、何度でもやってくる
「一度乗り越えたら、ずっと平和な日常が続くと思っていたのに、また次が来るんですね」と、その方は笑っていました。
そうなんです。人生は、その繰り返し。
でも見方を変えれば、繰り返すたびに「自分とは何か」を見つめる機会をもらっている、とも言えます。揺れ動きながら、その都度自分を探しながら、人は生きていくのだと思います。
まとめ——出すことから、次のトライが始まる
もうひとつだけ。迷いや夢は、心の中に抱え込まず、外に出してみてください。
誰かに話す。紙に書く。出してみると、自分の本音が形になって見えてきます。そしてその言葉が、めぐりめぐって誰かの支えになることさえあるのです。
エラーを恐れて止まっている時間も、あなたの大切な命の一部。
だったら、笑ってしまうほど小さなトライに使ってみませんか。うまくいかなくても大丈夫。生きていれば道は無限にあって、人は何度でも立ち上がれるのですから。