「なりたい自分は、はっきりしているんです。なのに、毎回おなじところで止まってしまって」

お店でうかがうお悩みのなかでも、これはとても多いもののひとつです。
欲しい未来が見えているのに、なぜか足が前に出ない。今日はその「なぜか」の正体を、いっしょに考えてみたいと思います。

何かを得るとき、わたしたちは何かを手放している

新しいものを手に入れたいと思ったとき、実はセットでついてくるものがあります。
それが「手放す覚悟」です。

たいていの欲しいものは、お金を払えば買えます。
でも「こう生きたい」という人生だけは、お金では買えません。誰かの真似もできません。

だからこそ、新しい生き方を選ぶときには、今までと違う考え方、今までと違う動き方が求められます。
得ることよりも、手放すことのほうが、ずっと勇気がいるのです。

手放すのは、モノではなく「いつものパターン」

手放すというと、持ち物の整理を思い浮かべるかもしれません。
でも、本当に手放したいのは、目に見えないもののほうです。

  • - 「どうせわたしには無理」という口ぐせ
  • - 頼まれたら断れない、いつもの引き受け方
  • - 「こうあるべき」と握りしめてきた思い込み

長年つれそったパターンは、手放すのが怖いもの。
それはあなたが弱いからではなく、慣れたやり方が「安全」だと心が覚えているからです。

満月の夜は、ふりかえりの合図

とはいえ、毎日の暮らしのなかで立ち止まるのは、なかなか難しいですよね。

そこでおすすめしたいのが、満月を「ふりかえりの合図」にすることです。
昔から満月は、ものごとの完了や手放しの節目と言われてきました。

夜空を見上げたら、自分にひとつだけ質問してみてください。

「いま握りしめているもののうち、もう要らないものはどれだろう?」

答えがすぐに出なくても大丈夫。問いを持って眠るだけで、心は静かに整理を始めてくれます。

緑のトルマリンという、考えるためのお守り

彩石屋でこのお話とともにご紹介したいのが、グリーントルマリンという天然石です。

トルマリンは古くから、静けさと落ち着き、深く考える力の象徴とされてきた石。
なかでも光の帯が一筋浮かぶキャッツアイは、内に秘めた才能を見守る石とも言われてきました。

緑は、胸のあたり——つまり心の色です。
ふりかえりの夜、この石を手のひらにのせて、深呼吸をひとつ。「何を手放そうか」と考える時間のお守りにしてみてください。

手放した先は、空白ではなく余白

手放すと聞くと、失うことばかりが心配になります。
でも、空いた場所は空白ではなく、余白です。新しい考え方や、新しいご縁が入ってくるためのスペースです。

何を手放し、何を残すか。それを決められるのは、あなただけ。
ひとつ手放すたびに、進める道はひとつ増えていきます。あなたの余白に、次は何を迎えましょうか。