過去のつらい出来事を、思い出すたびに胸の奥が固くなる。そんな記憶をお持ちではありませんか。

今日は、彩石屋で出生図を一緒に読み解いた、あるお客様のお話です。ご本人から「全部書いていいですよ」と言っていただいた物語を、おひとりが特定されない形でお届けします。

「思考の整理ができました」——その日のひと言

セッションを終えた直後、そのお客様は晴れやかな顔でこう仰いました。

「思考の整理ができました。これでよかったんだ、という確認もできました」

長くお付き合いのある方でした。とてもつらい時期があったことも、そこから少しずつ立ち上がってこられた過程も、私はそばで見せていただいていました。だからこの日のひと言が、本当にうれしかったのです。

受け入れるまでが、いちばん大変

セッションの中で、私が何度もお伝えしたことがあります。

なんでも、受け入れるまでがいちばん大変。受け入れたら、やることはもう決まっている。

過去の出来事をなかったことにしようとしている間は、心はずっとそこに縛られたままです。けれど「あれも私の人生の一部だった」と受け入れられた瞬間から、不思議なほど、次にやることが見えてきます。

受け入れは、一度で終わりではありません。「ああ、ここはまだ受け入れられていなかったな」という小さな気づきが、その後も折にふれて訪れます。それでいいのです。いちばん大きな山をひとつ越えた人は、あとの坂道を越えていく力をもう持っています。

「そこに愛があった」と気づくこと

この日、いちばん心に残っている場面があります。

その方が見せてくださった、小さい頃の写真。かわいい服を着せてもらった、幼い日の姿でした。早くに親御さんを亡くされた方で、思うように甘えられなかった寂しさを、長く抱えてこられたのだと思います。

写真を一緒に見ながら、私はこうお伝えしました。

「たとえ思うような形で愛情を受け取れなかったとしても、『ああ、そこに愛があったんだな』と後から気づくこと。それが、すごく大事なんです」

その方は写真を見つめて、「すごく大事にされていたんですね」と、静かに仰いました。

過去そのものは変えられません。でも、過去の意味づけは、今日からでも変えられます。

受け入れた人から、変わり始める

それからのその方は、見ていて気持ちがいいほどでした。

新しい学びの場に通い始め、周りの方から「ひと月前と全然違うね」と言われるようになり、「本を書きたい」という目標まで口にされるように。「今は幸せに向かって、まっしぐらです」と笑っておられました。

ご本人はこう仰っていました。「自分が頑張ったんだけど、いろんな人に支えられてここまで来た」と。支えに気づける人は、もう大丈夫。進みだすこと。それがいちばん大事なのです。

物語の続きは、自分で書ける

あなたにも、受け入れがたい過去があるかもしれません。それを受け入れられないでいるのは、あなたが弱いからではありません。それだけ大きなものを、ひとりで抱えてきたということです。

物語の続きは、いつからでも、何度からでも書き直せます。ページをめくる手が止まった日は、どうかひとりで抱え込まずに、誰かに話してみてください。