大切な人への贈り物に、何を選びますか。

値段でも流行でもなく、「この人を想って選んだ」という気持ちごと手渡せるもの。今日は、店で実際にあった、ある少年の贈り物のお話をさせてください。

ひとりで通ってきた少年

コロナ禍より前のこと。ひとりで何度も店に通ってくる少年がいました。

学校のこと、友だちのこと、家族のこと、将来の夢——来店するたび、思いつくままに話していってくれる、小さな常連さんです。

その話の中で、いつも特別だったのが「おかあさん」のことでした。

「これがいい」と譲らなかった日

ある日、少年がスタッフに尋ねました。お母さんの誕生月の誕生石は何ですか、と。

後日、お母さんと一緒に来店した少年が選んだのは、その誕生石でした。少年のお小遣いには、ずいぶん大きな買い物です。

それでも「絶対コレ」と一歩も譲らず、その石のストラップを自分のお金で買って、お母さんに手渡しました。値段ではない価値に、少年はもう気づいていたのだと思います。

5年後のゴールデンウィークに

それから5年。連休のある日、お母さんがふらりと来店されました。

「あのストラップ、今もお守りにしているんです」

そして同じ日の夕方、今度は少年本人が店を訪ねてきてくれました。当時小学生だった少年は、もう中学3年生。背が伸びて、声も変わって。それでも、近況や頑張っていることを話してくれる様子は、当時のままでした。

「また話に来ます」と帰っていく背中に、スタッフ一同、心の中でエールを送ったのでした。

石は「想い」を運ぶ

石そのものに不思議な力があるかどうかは、わかりません。

けれど、誰かを想って選ばれた石は、その想いごと相手の手元に残ります。5年経っても、お守りとして。

石には、想いを伝える力がある。そして、値段では測れない大切なものに気づかせてくれる力がある——店に立っていると、そんなふうに思うのです。

5月の誕生石・本翡翠

この季節にご紹介したいのが、5月の誕生石・本翡翠です。

日本の国石にも選ばれている、古くから愛されてきた石。慈悲や思いやりの象徴とされ、人との縁を結ぶお守りとして大切にされてきました。

誰かを想う気持ちに、そっと寄り添ってくれる石です。

まとめ——贈り物は、想いの置き場所

贈り物の価値は、値段では決まりません。「あなたを想って選んだ」という事実そのものが、何年経っても相手を支え続けます。

もし誰かの顔が浮かんだら、その人の誕生石を眺めてみてください。あなたの想いの置き場所として、石はずっと働いてくれます。