自分には、思っていたより何もないんじゃないか——。
そんなふうに感じて、心が動かなくなってしまった時期は、ありませんか。
今日は、彩石屋を始めるよりも前、わたし自身がまさにそうだった頃の、一粒の石との出会いのお話をさせてください。
心が疲れ果てていた、あの頃
彩石屋を始める前、わたしは自分に自信をなくし、心が疲れ果てていた時期がありました。
そんなとき、夫が出張に連れ出してくれて、行く先々で各地の天然石のお店をいっしょに巡ってくれたのです。
まさかその時間が、のちに自分の店を開くことにつながるとは思いもせず、わたしはただ、心の向くままに石たちを眺めていました。
「この石、すごく綺麗」
忘れもしない出会いでした。
何気なく足を止めた先で、ふと惹かれた淡い青緑の石。それがアマゾナイトでした。
そして、そばに書かれていた言葉を読んで、心が決まったのです。
「明るい未来への希望の石。人生に迷った時に、道を照らしてくれます」
ずきゅん、と来ました。
これが欲しい。理屈より先に、そう思っていました。
消えていなかった光に、気づく
動かなくなっていた、わたしの心。
「自分には何もないんじゃないか」と思いこんでいた、その心の奥に——まだ消えていなかった光があったのです。
本当は、自分らしく輝いていたい。
その気持ちをずっと持っていたことに、一粒の石が気づかせてくれました。もっと頑張りたい、と勇気をつかむきっかけをもらったのです。
石が何かを変えてくれたわけではありません。
変わる準備は、わたしの中にとっくにあった。石は、それを映す鏡になってくれただけ。でも、その「だけ」が、あのときのわたしには何より必要でした。
あの頃のわたしへ、いまのわたしから
いまは、こうして好きなことを仕事にして生きています。
でも当時は、自分を見失い、自分って何なんだろうと、目の前が見えなくなるようなときがありました。受けとめる器も、自分を信じる力も、まだ足りなかったのだと思います。
未来のわたしがあの頃のわたしを見たら、きっとこう言うでしょう。
「そんなもん、一瞬一瞬。はよー目を覚ましや!」
渦中にいるときは永遠に思える暗さも、振り返れば通り道のひとつでした。
まとめ——あなたの「思い出の石」はありますか
アマゾナイトは、古くから「希望」の象徴とされてきた石です。とらわれをほどき、ありのままの自分でいることをそっと肯定してくれるような、明るくのびやかな色をしています。
でも本当のところ、どの石があなたを照らすかは、出会ってみないとわかりません。
心の向くままに眺めて、ふと手が止まった一粒。それがいまのあなたの心を映す鏡であり、これからの道のりのお守りになってくれます。
あなたにも、思い出の石はありますか。
まだないという方は——これから出会えるということです。道はここから、いくらでも続いていきます。