4月、新しい部署、新しい役割。「頑張らなきゃ」と気合いを入れているのに、なぜか空回りする。

これまで通用してきた頑張り方が、今回はうまくはまらない——そんな戸惑いの中にいる方に、店頭で出会ったあるお客さまのお話を聞いていただきたいのです。

「赤」を探しに来て、「紫」にたどり着いた

年度の変わり目に、ブレスレットのリメイクをご相談にいらしたお客さまがいました。

新しい環境で、新しいミッション。この数年、頑張りに頑張りを重ねて幾多の波を乗り越えてこられた方が、さらにステージを上がろうとしている場面です。

「パワーが欲しいから、赤を」。最初はそうおっしゃっていました。赤は情熱を象徴する色。これまでのご自身を支えてきた色でもあります。

ところが石を前にして、ふと手が止まりました。「……何か、違う気がする」

そうして最後にたどり着いたのは、紫の石だったのです。

紫は、情熱と冷静を混ぜた色

紫という色は、情熱を象徴する赤と、冷静を象徴する青が混ざり合った色です。

彩石屋では、紫の石を「愛」の石とお伝えすることがよくあります。突き進む力と、立ち止まって見渡す力。その両方を抱えた色だからです。

このお客さまは、頭で考えるより先に、感じ取っておられたのだと思います。
今回乗り越えるために必要なのは、情熱の上乗せではなく、バランスなのだと。

頑張り方は、ひとつではない

物事を乗り越えるためのエネルギーには、いろいろな種類があります。情熱はそのひとつ。でも、情熱だけでは越えられない波もあります。

たとえば、人をまとめる立場になったとき。自分が走るだけでは足りず、待つこと、見守ること、受け取ることが大事になってきます。

いつもの頑張り方が通用しないと感じたら、それは力不足のサインではありません。乗り越えるのに必要なエネルギーの種類が変わったという、節目のサインです。

頭ではなく、感じてみる

何が大事かは、頭で考えるものではなく、感じるものだと思うのです。

石を選ぶ場面でも、同じことが起こります。理屈では赤のはずなのに、手が紫に伸びる。その「なんとなく」の中に、いまの自分への答えが隠れています。

「大事にしたい」と感じるものに気づくと、心は静かに変わりはじめます。

お守りとしての、アメジスト

紫の石の代表が、アメジストです。

情熱を冷静さで整え、心のバランスを保つお守りとされてきました。新しい環境に挑むとき、自分を高めたいときに、手元に置く方の多い石です。

熱くなりすぎた日は、アメジストの紫を眺めて、ひと呼吸。「走る力」と「見渡す力」、いま要るのはどちらだろうと、自分に聞いてみてください。

まとめ——波の越え方は、変えていい

頑張ってきた人ほど、慣れた頑張り方を手放すのは怖いものです。けれど、波が変われば、越え方も変わっていい。

赤から紫へ。たったそれだけの変化に、新しい自分への信頼が詰まっています。

あなたの前に来る波は、これからも形を変えるでしょう。そのたびに越え方を選び直せるのなら、道はいくらでも開けていきます。