「この仕事、あなたにお願いね」。そう言われた瞬間、うれしさより先に「私にはまだ早いのに」と身がすくむ。そんな経験はありませんか。
準備が整ってから、勉強してから——と思ううちに、機会は静かに通り過ぎていきます。今日は、彩石屋の店頭で実際にあった「任された日」のお話です。

入って2日目、ふたりだけの店頭

彩石屋には、スタッフがアルバイト2日目で店頭に立った日があります。
ひとりは前の仕事で少しだけ天然石にふれたことのある人。もうひとりは、まだ何もわからないままの人。

頼れる経験者は、その日お店にいませんでした。ふたりは必死で、閉店までへとへとになりながら走り切ったそうです。

けれど振り返ると、その日が転機でした。
お客様のご要望をうかがい、その方のための石を選ぶ。その奥深さに初めてわくわくしたことを、今でも鮮明に覚えていると言います。
自分のために作って身につけていたブレスレットを、お客様が気に入ってくださったのが、最初の一本になりました。

「できないの壁」は、信頼が外してくれる

彩石屋は昔から、スタッフの独り立ちが早いお店です。わからないままお店に立ち、できなくても、まずやってみる。

乱暴に聞こえるかもしれません。でも経験したスタッフは口をそろえます。「あれがいちばん鍛えられた」と。

任せるとは、丸投げのことではありません。「この人ならできる」と可能性を信じているからこそ、手渡せるのです。
信じられて手渡された仕事は、「できない」の壁を内側からすっと外してくれます。気づけば大工仕事までこなせるようになっていたスタッフもいるほどです。

「まだ早い」は、誰が決めたのでしょう

あなたが「私にはまだ早い」と感じるとき、その物差しはどこから来たものでしょうか。

完璧に準備が整う日は、待っていてもなかなか来ません。
先に役割がやって来て、力はあとからついてくる。順番は案外、逆なのです。

もし今、何かを任されそうになっているなら、それは「あなたならできる」と誰かが信じてくれている合図かもしれません。

まとめ——任された日が、転機になる

できないままで、引き受けていいのです。走りながら覚えた力は、一生の財産になります。

そしてもし転んでも、そこで道が終わるわけではありません。生きているかぎり、やり直す道も、別の道も、いくらでも拓けていきます。
今日の小さな「はい、やってみます」が、数年後のあなたをつくっていきますように。