「なんでこんなことするの!」——子どもの思いがけない行動に、感情が先に飛び出してしまう。
子育てをしたことのある人なら、誰にでもある瞬間だと思います。今日は、ある家庭でほんとうにあった「リカちゃん人形事件」から、子どもの心の聞き方を考えます。
お迎えに「行かない」と言った妹
姉は幼稚園児。妹は2歳か3歳。丘の上の幼稚園へは車での送迎で、お迎えは往復30分以上かかります。
いつもは一緒に行っていたのに、その日にかぎって妹は「行かないー」と頑として動きません。
じつはこのバトル、毎日のお迎えのたびに繰り返されていたのだそうです。
母親は、幼い子を家にひとり置いて出かける不安と迷いの末に、こう約束して家を出ました。
「じゃあ、遊んで待っててね。大丈夫?」「うん」
帰宅すると、リカちゃんの髪が
お迎えを終えて帰宅。娘の無事を確かめ、家の中も変わりなし。ほっとしたのも束の間——
リカちゃん人形の髪が、ばっさり短く切られていたのです。
「なんでこんなことするの!」
つい感情的に聞いた母親に、娘は、驚く母を見て驚くような顔で答えました。
「リカちゃんが、切って、切ってって言ってたから」
大変だと騒いでいるのは、大人だけ。当の本人は、超がつくほど真面目だったのです。
子どもには、子どもなりの理由がある
大人には耳を疑うような「えっ?」という答えでも、子どもの世界では筋の通った、立派な理由です。
大人が理解すべき瞬間というものが、子育てにはあるのですね。
何かを言う前に、感情にまかせず、ごっくんとひと呼吸。
そして「どうしてなの?」と聞いてみる。子どもは、その一言を待っているのかもしれません。
ただし、心をくみ取ることと、許すことは別です。
やってはいけないことは、「やってはいけない」としっかり教える。そこは忘れてはいけません。
親と子は、同い年
子どもの年齢と、親になってからの年齢は、じつは一緒です。3歳の子の親は、親としてもまだ3歳。
そう思うと、同じ目線に立ちやすくなりませんか。
話すときは、ちゃんと目を見て話す。聞くときも、目を見て聞く。
大人どうしでも、子ども相手でも、これは一緒です。いつからでも、今日からでも始められます。
後日談——夢と、お別れ
この出来事がきっかけになったのか、娘さんはその後、長いこと「美容師になりたい」という夢を持ち続けたそうです。
やがて、まったく違う道へ進むことを決めた春。リカちゃんをようやく手放し、人形供養に出しました。
髪を切られたあの日から続いた長いお付き合いの、静かなお別れです。母娘で一緒に遊んだ、良き思い出とともに。
お守りとしての、ラピスラズリ
心のうちを素直に言えない。あるいは、つい言い過ぎてしまう。
そんな人に寄り添う石として、古くから大切にされてきたのが、深い青のラピスラズリです。ありのままの素直な表現を支える石とされてきました。
子どもの声をさえぎらずに、最後まで聞きたい——そう願う日のお守りとして、手元に置いてみてください。
まとめ——「どうしてなの?」から始まる
子どもなりの理由がある。それを大人が理解しようとするだけで、親子関係は変わります。
そしてそれは、子どもがこの先に結んでいく人間関係にまで響いていきます。
今日うまく聞けなかったとしても、大丈夫。親子の対話に、手遅れはありません。明日もあさっても、何度でもやり直せます。
まずは目を見て、「どうしてなの?」のひと言から。