「夫が嫌なのよ」
そう言いながら、何年も何十年も一緒にいるご夫婦は、たくさんいらっしゃいます。
夫婦喧嘩は犬も食わない、とはよく言ったもので、心配して仲裁に入った友人が「なんだ、仲がいいじゃない」と肩透かしをくらうのも、よくあることです。
今日は、夫婦のお話を。
親の姿は、究極の教科書だった
夫婦の問題は遺伝ではないのでしょうが、私は「遺伝する」と思っています。そう感じたのは、10代のときでした。
同じ道に進めてしまう種が、自分の中にもある。
考えること、不満に思うこと、気になること——親を見ていると、自分がストレスのない生き方をするにはどうしたらいいかを、教えてくれているとしか思えませんでした。
究極の教えは、親の失敗です。失敗している姿を見て、教えが自分に刻み込まれる。10代ながら、見せてもらえてありがたいと思っていました。
「自分は失敗しない」と思うほど、危ないものはない
それでも、自分の中にある「破壊の種」を感じずにはいられませんでした。
親からもらった種と、自分で育ててしまう種。それが膨らみ、栄養を与えるような出来事を、自分で起こしてしまう。
私自身、たくさんの失敗を繰り返して、ようやく気づいたのにまた同じことをして。誰よりも分からず屋の失敗をしてきたと思います。
根を張ろうとする種を引きはがすには、根気と、歯を食いしばる根性が要ります。
自分の愚かさをようやく諦められたとき、ようやくスタート地点に立てるのです。
10許せないなら、100許す
夫婦関係は、許しの連続です。
自分も許されていることがたくさんあるように、許す。10許せないことがあれば、100許す。
次第に、そんな小さなことはどうでもいい、としか感じなくなっていきます。
夫婦は、究極の人間関係だと思ってください。夫婦の間でできないことは、ほかではなかなかできません。
家庭でこぼしている愚痴は、外での人間関係にもにじみ出ます。あなたがこぼした言葉は、めぐってあなたに返ってくるのです。
与えたものが、返ってくる
与えたものが相手を育て、あなたに返ってきます。夫に与えた愛情も、同じです。
あなたは今、十分な愛情を受け取っていますか。
もし感じられていないのなら——先に、与え続けてみてください。
私自身、結婚14年。毎日笑いが起こる関係をつくっています。
よく「家を整えると仕事がうまくいく」と言われますが、大切なのは掃除そのものより、「相手のために」という気持ちのほうだと思っています。
……と言う私は、掃除が大の苦手です。だから、掃除をしないことを許してもらえる関係を、とことん考えてきました。14年も経てば、相手はもうなんとも思わなくなっています。
「○○することが愛情」という自分よがりな思い込みも、手放していけたらいいですね。
まとめ——許した分だけ、ふたりの道は続く
夫婦円満の極意は、特別な技ではなく、日々の小さな許しの積み重ねでした。
10許せないなら、100許す。受け取れないなら、先に与える。
今日うまくいかなくても、夫婦の関係は今日で終わりではありません。許すたびに、ふたりで歩ける道はまた先へ伸びていく——人生と同じで、続けていれば、道はいくらでも開けていきます。