「やりたいことが分からない」「今の仕事がこの先も正解なのか、自信がない」。
そんな迷いの中にいる方に、今日はすこし意外な昔話をさせてください。
わたし自身、最初は石屋をやるつもりなんて、まったくなかったという話です。
「石屋をやりたくなかった」と言うと、驚かれる
先日、開店当時からの付き合いのスタッフと昔話をしていて、あらためて思い出しました。
わたしが「最初は石屋をやりたくなかった」と言うと、たいていの人に驚かれます。
高校生の頃はパティシエになりたかった。
その後も、カフェ、移動ジュース屋さん、移動パン屋さん、雑貨やアロマのお店、ハーブ屋さん——ギリギリのギリギリまで、石屋以外の道をいくつも考えていました。
今の彩石屋しか知らない方からすると、ちょっと不思議に見えるかもしれません。
バラバラに見えた夢に、共通点があった
ところが、昔話をしながら気づいたことがあります。
カフェも、ジュース屋さんも、ハーブ屋さんも。
わたしの中では全部、「その人に合わせて処方できるもの」だったのです。
ジュースなら、その方の体質を見ながら、その人に合う一杯を作れる。
ハーブなら、その日の状態に合わせて選べる。
形は全然違うのに、やりたかったことの根っこはひとつでした。
「目の前のひとりに合わせて、何かを調えて手渡したい」。それが、石という形に出会って、今の彩石屋になっただけなのです。
インターネットでの販売から始めて、実店舗を開いたのが2008年。あれだけ「やりたくなかった」はずの石屋を、気づけば長く続けています。
「何をやるか」より「なぜやりたいか」
この昔話から、お伝えしたいことはひとつです。
やりたいことを探すとき、わたしたちは「職業の名前」で探しがちです。
カフェか、パン屋か、それとも今の仕事の延長か——と。
でも本当に見つけるべきなのは、その奥にある根っこの想いのほうです。
「人の話を聞くのが好き」「手を動かして調えるのが好き」「誰かの変化に立ち会いたい」。
根っこさえ言葉にできれば、それを叶える形は、ひとつではなくなります。
形は変わっても、根っこは裏切らない
もし今、「やりたいことが分からない」と立ち止まっているなら。
これまで心が動いたことを並べて、共通点を探してみてください。バラバラに見えた点の奥に、あなたの根っこがきっと隠れています。
そして、最初に選んだ形がしっくりこなくても、大丈夫。
根っこが分かっていれば、形は何度でも選び直せます。わたしが石屋になるつもりがないまま石屋になったように——人生の道筋は、思っているよりずっと自由なのです。