考えが同じところをぐるぐる回って、固まってしまう。
そんな日はありませんか。秋風に七五三参りの着物姿を見かける頃、今日は「かたち」のお話をさせてください。
石は、かたちでも表情を変える
クリスタルは、同じ水晶でも磨かれたかたちによってずいぶん印象が変わります。
丸玉はおだやかに、先のとがったポイントは凛と。
かたちが変わると、手に取ったときの気持ちも、向き合い方も変わるのです。
七五三の着物を、その子に似合う柄と色で選ぶように。
石も「いまの自分に合うかたち」で選んでよいのです。
プラトン立体という、古い考え方
今日ご紹介する正二十面体は、20枚の正三角形でできた多面体です。
古代ギリシャの人々は、世界の成り立ちを数とかたちで考えようとしました。
哲学者プラトンは、5種類の正多面体を火・土・風・水などの元素に対応させ、これらは後に「プラトン立体」と呼ばれるようになります。
そのなかで正二十面体にあてられたのが、「水」でした。
2000年以上も前の人たちが、転がるように丸いこの多面体に水を見たと思うと、なんだか頷けてしまいませんか。
水のかたちが教えてくれること
水は、器に合わせて姿を変えます。丸い器では丸く、四角い器では四角く。
それでいて、水そのものの性質は何ひとつ変わりません。
かたちを変えることと、自分を失うことは、別のはなし。
考えが固まってしまう日は、たいてい「こうでなければ」が増えすぎた日です。
水のように、いったん器に身をあずけてみる。流れに任せてみる。
正二十面体は、そんな柔らかさを思い出させてくれる、水の象徴とされてきました。
手のひらの上で、呼吸を整える
正二十面体に磨かれた水晶は、手のひらに乗せるとほどよい重みがあります。
夜、明かりを落とした部屋で手に乗せて、ゆっくり呼吸を数えてみてください。
角がたくさんあるのに、ころんと丸い。そのかたちを指でなぞるうち、ぐるぐるしていた考えが、すこしずつ流れはじめます。
机の上に置いて、固まってきたら眺める。それだけでも十分です。
まとめ——固まったら、水を思い出す
こわばる日があるのは、真面目に生きている証拠です。
そんな日は、水のかたちを思い出してください。
器が変わっても、水は水のまま。あなたも、状況に合わせて姿を変えたくらいで、あなたでなくなったりはしません。
流れさえ取り戻せば、道は思いがけない方向にも続いています。