「最近、些細なことでイライラしてしまうんです」
お店でのご相談で、よくうかがう言葉です。
家族に、職場の人に、すれ違う誰かに。怒ったあとで自己嫌悪までセットでやってくるなら、今日はその正体を一緒に見ていきましょう。
イライラの正体は「思い通りにならない歯痒さ」
イライラという感情は、突きつめると「思い通りにいかせたいのに、ならない」歯痒さから生まれます。
なんでこうしてくれないの? どうしてできないの?
この「なんで?」が湧くときは、自分の中の「正しい」が揺さぶられているサインです。
喫茶店で聞こえてきた、正しさの大演説
スタッフが喫茶店に立ち寄ったとき、隣の席からこんな声が聞こえてきたそうです。
「みんなダサいんだ! 間違っていることは間違ってるって言わないと分からないんだ!」
ご本人は大真面目です。でも、ふと思うのです。その「正しい」は、誰にとっての正しいなのだろう、と。
自分だけのルールに縛られていると、そこからはみ出した相手を見た瞬間、歯痒さは怒りに変わります。
怒りに変わったとき、相手のルールは見えなくなり、自分の正しさを押しつけることに必死になってしまうのです。
正しい×正しいは、うまくいかない
人にはそれぞれの「正しい」があります。それ自体は悪いことではありません。
けれど「なぜこうできないんだ」と突きつけた瞬間、相手の心はシャッターを下ろします。
こちらも下ろしてしまえば、二枚のシャッターは一生開かない。それが対人の苦しみの始まりです。
だから、自分と違う正しさも、一旦は受け入れてみる。
「そんなことしたくない」と思うかもしれません。でも、考えてみてほしいのです。
自分の正しいが本当に自分の中にあるなら、相手の正しいを受け入れても、痛くも痒くもないはず。
認めてほしくてジタバタするのは、相手の土俵に入り込んでいる証拠なのです。
相手の感情は相手のもの、自分の感情は自分のもの
彩石屋で、ずっと大切にしてきた言葉があります。
相手の感情は相手のもの。自分の感情は自分のもの。
相手の機嫌や怒りまで、あなたが背負う必要はありません。
そして、あなたのイライラを相手のせいにしているかぎり、その感情はあなたの手から離れていきません。
線を一本引くだけで、抱える荷物は半分になります。
イライラは、自分で終わらせられる
イライラは、相手が作るものではなく、自分の心が作り出しているもの。
それは悪い知らせではありません。自分が作れるものなら、自分で終わらせることもできるからです。
最初から上手にできなくて大丈夫。一回飲み込めたら、その日は満点です。
心持ちひとつで楽になれる道が残されているなら、人付き合いの行き止まりに見える場所にも、まだいくらでも抜け道があります。
生きていれば、選べる道は尽きないのですから。